
何気ない場所に咲く誰にも見られることのない野辺の桜が、好き。
名所の桜はそれはそれでとても美しく見る価値のあるものだとは思うが、個人的にはやたらに人のいるところでゆっくり桜を愛でる気にはなれない。人ごみは大嫌いだし、「花見」というお題目の免罪符をカサにきて無遠慮に騒ぐロクでなしどもの近くには寄りたくもない。・・・もっとも、自分が最初からその中にいる場合は無遠慮に騒ぐロクでなしに豹変するのだから、人間とは身勝手なものだけど。
写真は、すぐ裏を流れる桂川の土手沿いに咲く桜。ほぼ満開の見頃を迎えている。誰にも見られていないのに艶っぽく、川面を渉る涼やかな風に枝を揺らし、はかなげに花びらを空に舞わせている。この桜の木の下に仰向けに寝転んで、しばしの休息。
桜の花の白桃色。
向こうに見える土手沿いに咲く菜の花の黄色。
芝や草の、瑞々しい緑。
遠くに霞む、薄水色の空。
春はパステル・カラーが美しく、また、よく似合う。