
ローマ神話の冥界の王プルートが、北欧神話の小人ドワーフになっちゃった。
って、8月24日にチェコのプラハで開催された国際天文学連合総会で決まった、「冥王星は惑星ではない」という新しい定義。プルートというのは冥王星の国際的な名称で、最初に書いた通り、ローマ神話に出てくる冥府の王の名前である。
それが今回、惑星に似てはいるが惑星ではないものとして「ドワーフ・プラネット(dwarf planet、和名は検討中で、暫定直訳は矮惑星)」というカテゴリーが新設され、そこに冥王星が新たに分類されることが決まり、冥王星は正式に「惑星」ではなくなった、というのだ(経緯など詳しくはWikipediaの「
冥王星」参照)。
小学生の頃にお年玉を貯金して口径5センチの屈折望遠鏡を買い、夜な夜な大空の星々を眺め回して楽しんでいた元・天文好き少年のボクとしては、太陽系の最果て、冥界への入り口の冥府の王の星としてなんとも恐ろしげだけどもロマンチックな名前を持つこの星が、太陽系第9番目の「惑星」でなくなったことは少し寂しい気もする。子供のころに暗唱した「水金地火木土天海冥」(1999年までは「水金地火木土天冥海」だよ〜と突っ込みを入れたり入れられたり)も、「水金地火木土天海」となって、なんとも尻切れとんぼな感じで終わってしまうのがしっくりこない。また、松本零士氏の「銀河鉄道999」で最後に鉄郎がメーテルとお別れするのも冥王星で、これがまた何とも切なくて泣けるシーンだったのを思い出しもするのだ。
あぁ〜〜メーテル・・・
「私はメーテル。永遠の時間を旅する女」懐かしや〜〜(涙
妄想は遥か宇宙に飛び出し、999に乗って地球から29.5AUの彼方にある冥王星へと向かう。
♪A Journey to the Stars 〜(タケカワユキヒデ風にね)
・・・・・・
帰って来た。
まあ考えてみれば、建前が「惑星」ではなくなったというだけで、冥王星という天体そのものが物理的になくなるワケではないから良いか。
でもひとつ気になることがあった。25日付の日経新聞朝刊に掲載されていた、この総会に日本代表として出席した国立天文台の前台長さんのコメント。
「来年からいきなり日本の教科書から冥王星を落とすことはしない方がよい。先生が子どもや親の疑問に答える時間を十分にしないと、教育現場が混乱しかねない」
おっかしいなぁ〜。この国際天文学連合総会というのは、世界の天文に関する専門家集団として、その決定は教科書を書き換える権威を持つ唯一無二の会なのだそうだ。そうであるならまず第一に、今までは今までとして、決まったからには可及的速やかに新しい認識を広めるべし、なのが、天下の国際天文学連合総会の、日本代表としてのあるべき立場ではないのかな?すぐ変えるといって混乱するのは教科書屋さんだけでしょうが。
それに「混乱」というなら、教科書に「冥王星は惑星」として載っているのに「でも実は違うんだよ」と子どもに教えなければならない教師や保護者のジレンマ、教育の
実際の現場における曖昧さがもたらすものこそ、まさしくそれではないのかな。ここに考えが及んでいないというのは、とても悲しいことのように思うのだけど、いかが?