それにしても、なんで印刷関係の仕事というのはいつもいつも締め切りギリギリで関係者各位が動いているのだろう。ず〜〜〜っとそういう調子だから「それでアタリマエ」という感じで麻痺してしまってるのかもしれないが、も少し時間に余裕をもってやれば、もっとスムーズにコトが運ぶと思うのだが。
ボクのような末端実務作業者の手元に必要な作業の依頼が来るのは最後の最後で、ひどいときには今日の夕方に話を聞いて明日締め切り、というのもあるし、こっちの都合などお構いなしの場合には、金曜日の夕方に聞いて月曜日の朝一番に入稿、というのもある。「はいはい〜〜」ととりあえず仕事は受けておいて、仕事をしながら「週末ひとときも休むな、いうこっちゃな」と独り言をつぶやくことにしている。
今日も今日とて、お絵描きの仕事をしている。釣り関係の雑誌社の仕事なんだけど、まあ、これも急ぎだ。パンフレットのレイアウトデザインなどに比べれば、パーツだけの製作なのでレイアウトのバランスに神経を使わなくてもいいからラクといえばラクな仕事なのだ(その分、少なくなるものは当然、少なくなるのだけどね)。今日のは竿とリールとラインの一式のセッティングを描いてくれ、とのことだったので、作り置きしてあるロッドだのリールだののイラストをあれやこれやといじくり回して仕上げる。普通にそこら辺のイラストレータさんに頼むと、ロッドだのリールだのをある一定以上のクオリティでイチから描いてもらうということになるので時間的にとても間に合わない。常々、なんだかんだと描いておくもんだ。
それに、こういうのには個人的な楽しみもある。普通のイラストレータさんなら、タックルの細部は適当に一般的なものを描くのだろうが、ボクはここに個人的な趣味を入れるのだ。ロッドなら、ガイドを留める巻きの色とコーディネイトにこだわってみたり、リールは一見普通ぽく見えて知ってる人がみたら実は「なんでコレが着いとんねん!?」というようなものを着けてみたり、とか。

さらに今日のには、もうひと味。フライロッドのバット(コルクグリップの付け根の部分のこと)には、メーカーのサインとかスペックとかが書き込まれているのが普通なので、イラストのロッドにもちゃんと書き記しておいたのだ。
「○雑○誌○名○ Special made by 107」とね。
とてもとても小さな字で入れてあるから(左のイラストは、原寸の数十倍の拡大)、編集部でのカラーコピーの校正段階では、何と書いてあるのかは読み取れない筈だ。印刷所の印刷機で試し刷りする「色校正」の段階で初めて何と書いてあるかが分かる筈だが、色校正では他の部分の校正に気を取られる筈なので、これも見落とす確率が大である。編集部の人間がようやく発見するのは、本印刷があがって一服しつつ、じっくりと見てみるときだろう。
もっとも、この雑誌社さんは記事のアタマにきちんと各ワークのクレジットを入れてくれるので、わざわざそんなことしなくてもいいのだけどね。単調なイラストワークを少し楽しくする独り遊び、ということで。