
先日、釣りの先輩から「例のもの、できたよ」との連絡をもらったので、いただいて帰って来た。何かというと、ニジマスのスモーク。その先輩がある管理釣場に釣りに行ったところ思いがけずたくさん釣れたので、コンディションのいい大物を選んで持って帰って燻製にされたのだ。ボクは以前からその先輩に燻製を作るときは声をかけてほしいと頼んでいたので、今回のお呼びとなったワケである。
いただいて帰ってきて、開けてみたらこれがまあデカい。燻製にすると元の大きさからかなり縮むのだけど、それでも40数センチはあるから、元は50センチほどもある大物だったのだろう。よく肥えていて、さぞかし燻製にするのは手間暇かかっただろうなと思って先輩のいる方角へ手を合わせて拝みつつ、早速、身の一部をむしり取って食べてみた。
美味い!
久しぶりのスモーク・トラウトである。これは美味いスコッチが(それもハイランドのシングルモルトが)合うな〜と思いながらも、真っ昼間からそんなことして遊んでるワケにもいかないのでいったん片付けようとしたら、子どもたちが匂いを嗅ぎ付けてやってきた。家中に匂いが充満しているらしい。
「食べたい」
「食べたい」
仕方がないので少し身をむしってお皿に置くと、奪い合うように食べる。「美味しい?」
「うん!美味しい!」
「もっとちょうだい」
・・・こういうのはまだ食べないのではないかと思っていたのだけど、考えが甘かったようだ。仕方がないので4分の1身を取って皿に分けると、わいわい言いながらすごい勢いで食べ始め、あっという間に平らげられてしまった。かなりの大物なのでそう簡単になくなるまいと思っていたが、これはヤバい。あわてて、残りは晩ご飯ににスモークの入ったパスタを作ってあげる、ということで納得してもらう。

いつもパスタを作るのはボクの役目である。ちょうどマッシュルームに白シメジがあったので、「きのことスモーク・トラウトのスパゲティーニ」なるものを作ることにした。
パスタはいつもディ・チェコ。それのスパゲティーニ、つまりスパゲティより細くてフェデリーニより太いヤツ。これを、塩味の効いた湯で茹でる。フライパンに細かく刻んだガーリックを熱したたっぷりのオリーブオイルでよくローストし、スモークの4分の1身を取ってほぐしたのと、きのこ類をばさあっ、と放り込んで火を通す。塩気はスモークのがしみ出してくるので、ほんの少しでいいぐらい。黒胡椒をガリガリッとやって、白ワインをぶっかける。ボクの家には料理用の白ワインというのはなく、いつも飲んでいるのを料理にも使う。使う前に、ワインの味が変わっていないか、念のためにロッググラスになみなみと注ぎぐいと一気に飲み干して「味見」することにしている。それからおもむろにフライパンにダバダバッとワインをぶっかけるのだ。ボワァ!と炎が上がる。
「わあ」「すごい」と子どもたちの歓声。いつもの儀式である。
「お父さんはカルシファーと契約しているからこんなことができるのだよ」などと馬鹿なことを言いつつ。
んで、出来上がったのを皿に。
食べてみると、適当に作ったにしてはかなり美味い。スモークが、ベーコンとアンチョビの間ぐらいの感じでいいアクセントになっている、と自画自賛(笑
子どもたちもぱくぱく食べてくれて、完食。
さて、と・・・。これで満足してくれたようだし。
おかげで今晩、ゆっくりとスコッチを呑っている。
やはりこういうサカナは、酒のサカナにするのが一番である。